Technical Report

画像化技術:陽電子放射断層撮影法を使ってタンパク質間相互作用を画像化するための分割型レポーターの分子設計による作成

Nature Medicine 16, 8 doi: 10.1038/nm.2185

タンパク質間相互作用(PPI)を非侵襲的に画像化するには、技術の改善が不可欠である。今回我々は、陽電子放射断層撮影法(PET)用の分割型レポーター(単純ヘルペスウイルス1型チミジンキナーゼ)を分子設計した。レポーターは265番目のトレオニンと266番目のアラニンの間で切断されており、これをタンパク質断片相補性アッセイ(PCA)に用いて、哺乳類細胞でのPPI定量化と、生きているマウスでのマイクロPETによるPPI画像化を行った。点突然変異(V119C)の導入により、PCAでのチミジンキナーゼ相補性は著しく高まったが、これはFKBP12-ラパマイシン結合ドメイン(FRB)とFKBP12(FK506結合タンパク質)のラパマイシンによる調節、低酸素誘導因子1αとフォン・ヒッペル・リンドウ腫瘍抑制因子との相互作用、およびエストロゲン受容体分子内タンパク質折りたたみ解析に基づいている。この独特な分割型チミジンキナーゼの適用範囲は非常に広いと考えられ、例えば免疫療法や幹細胞治療でのかなり高精度なモニタリングなどがあげられる。また、疾患前臨床段階の小型および大型動物疾患モデルでの、PPIのPETによる断層的定位と完全な定量的画像化も可能になるだろう。

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