Technical Report

画像化技術:抗がん剤の作用に対する間質誘導性変化を見つけ出すための腫瘍細胞特異的な生物発光画像化用プラットフォーム

Nature Medicine 16, 4 doi: 10.1038/nm.2112

従来の抗がん剤スクリーニングは一般的に、腫瘍微小環境内にあって抗がん剤活性を大きく変化させる可能性がある付随細胞が存在しない条件下で行われる。今回我々は、この制約に対処するために、腫瘍細胞特異的なin vitro生物発光画像化法(CS-BLI)を開発した。この手法では、ルシフェラーゼを安定に発現させた腫瘍細胞(骨髄腫、白血病、固形腫瘍など)を、非悪性の付随細胞(間質細胞など)とともに培養し、間質細胞あるいは薬剤投与の有無により、腫瘍細胞の生存能力を選択的に定量化する。CS-BLIはハイスループットな使用が実現可能で、白血病細胞でのイマチニブ耐性など、さまざまな悪性腫瘍で間質誘導型の化学療法剤耐性が見いだされた。腫瘍細胞にみられる間質誘導型の特徴は、臨床的な予後不良と相関しており、活性化型のAkt、Ras、NF-κ B、HIF-1α、myc、hTERTやIRF4や、腫瘍の生物学的侵襲性および自己複製を示すものが含まれる。CS-BLIは従来のスクリーニングと違って、間質と相互作用する腫瘍細胞に対してより強い活性をもつ化学物質を見つけ出すこともできる。そうした化学物質の1つであるリバーシンは、通常使われる皮下異種移植片においてよりも、びまん性骨髄腫骨病巣の同所モデルでのほうが、より強い作用を示した。したがって、CS-BLIの使用は、抗がん剤候補物質の厳密なスクリーニングを可能にし、間質誘導型の薬剤耐性を克服し、腫瘍−間質相互作用のある状況下で合成致死性的に作用できるような治療薬候補を、前臨床的パイプラインに増やすことができるだろう。

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