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HIV:HIV-1は多能性前駆細胞に感染して細胞死を誘導し、潜伏型の細胞内リザーバーを確立する

Nature Medicine 16, 4 doi: 10.1038/nm.2109

HIVはCD4+ Tリンパ球の枯渇と日和見感染の発症を特徴とする慢性感染症を引き起こす。ウイルスの広がりを防ぐ薬はあるものの、HIV感染は完治が困難で、それは高活性抗レトロウイルス剤療法(HAARTまたは多剤併用療法)や免疫応答に耐性を示す感染細胞であるウイルスリザーバーが同定されていないからである。今回我々は、感染者由来のCD34+細胞と野生型HIVのin vitro実験により、CD34+多能性造血前駆細胞(HPC)の感染と細胞死を明らかにする。一部のHPCで、ウイルスの遺伝子発現が分化因子によって活性化されるまで細胞培養系で安定に維持される潜伏感染が見つかった。潜伏感染している細胞をin vitroで直接検出できる独特のHIVレポーターにより、活動性感染したHPC、および潜伏感染したHPCからなる別々の集団の存在が確認された。これらの知見は、HIVによる骨髄病変およびHIVが持続感染を引き起こす機序の解明に大きくかかわってくる。

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