Brief Communication

生理:眼表面の湿潤性は角膜のTRPM8依存性冷受容器によって調節されている

Nature Medicine 16, 12 doi: 10.1038/nm.2264

基礎分泌としての涙は、眼表面の湿潤の維持にきわめて重要である。角膜の冷受容器は環境温度のわずかな変動を感知し、それに応じて分泌性を変化させる。マウスで冷覚伝達イオンチャネルのTRPM8(Transient receptor potential cation channel subfamily M member 8)を欠失させると、冷刺激に対する反応性が低下し、基礎分泌としての流涙は減少するが、侵害受容器を介する刺激性流涙は影響を受けない。ヒト角膜を加温した場合も、流涙速度は低下する。以上の知見は、角膜の冷受容器におけるTRPM8依存性インパルス活性が基礎的流涙の調節にかかわっていることを示している。

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