Article

免疫:食物による全身性アナフィラキシーに対するC型レクチンSIGNR1を介した経口寛容

Nature Medicine 16, 10 doi: 10.1038/nm.2201

食物誘発アナフィラキシーモデルで、C型レクチン受容体SIGNR1(別名Cd209b)は、胃腸の粘膜固有層(LP)中の樹状細胞(DC)に経口寛容を起こさせるようにしむけていると、我々は考える。51分子のマンノシドを結合したBSA(Man51-BSA)の経口投与により、BSA誘発アナフィラキシー応答が相当度減弱した。Man51-BSAは、SIGNR1を発現するLPDCを選択的に標的とし、インターロイキン10(IL-10)の発現を誘導したが、IL-6やIL-12 p70の発現は誘導しなかった。同様の作用は、Man51-BSAを投与したIL-10-GFPノックイン(tiger)マウスでも認められた。LPDCのMan51-BSA−SIGNR1経路は、in vitroおよびin vivoの両方で、IL-10とインターフェロンγ(IFN-γ)を発現する1型調節性CD4+ T(Tr1)様の細胞の発生をSIGNR1およびIL-10依存的に促進したが、CD4+CD25+Foxp3+調節性T細胞の発生には影響しなかった。このTr1様細胞により、寛容を他のマウスに移入することができた。これらの結果は、糖で修飾した抗原がSIGNR1とLPDCを標的とすることにより経口寛容を誘導するのに使える可能性を示唆している。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度