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免疫:モノクローナル抗体を安定生産するB細胞受容体陽性ヒト記憶B細胞の遺伝学的プログラム化による作出

Nature Medicine 16, 1 doi: 10.1038/nm.2071

Bcl-6(B cell lymphoma-6)およびBcl-xLの2つのタンパク質はリンパ節胚中心B細胞で発現し、これらの細胞が胚中心の増殖性かつ突然変異誘発性の環境に耐えられるようにしている。今回我々は、末梢血記憶B細胞にこれらのタンパク質の遺伝子を導入し、濾胞ヘルパーT細胞が産生するCD40リガンド(CD40L)とインターロイキン21(IL-21)の2種類の因子とともに培養することで、これらの細胞を、活性化誘導シチジンデアミナーゼ(AID)の発現など胚中心B細胞の特性を備えた、増殖性が高く細胞表面B細胞受容体(BCR)陽性で、免疫グロブリンを分泌するB細胞へと転換させた。そして、呼吸器合胞体ウイルス特異的なB細胞クローン株を作出し、このウイルスをin vivoで効果的に中和する抗体の供給源として用いた。この方法は、B細胞の生物学的特性や抗原特異的B細胞受容体を介するシグナル伝達の研究、あるいは高親和性ヒトモノクローナル抗体の迅速な作製に使える新しい手段となる。

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