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関節疾患:シンデカン4はADAMTS-5の活性化と変形性関節症における軟骨破壊を調節する

Nature Medicine 15, 9 doi: 10.1038/nm.1998

ADAMTS-5(a disintegrin and metalloproteinase with a thrombospondin type 1 motif,member 5)によるアグリカンの切断は、関節構造の進行性の破壊を引き起こす変性性関節疾患である変形性関節症で軟骨基質の破壊に重要な役割を担っている。ADAMTS-5活性化の機構や、それらと変形性関節症の発症機序との関連はほとんど解明されていないが、シンデカン類がADAMTS-4の活性化に関与することはわかっている。本論文では、ヒトの変形性関節症およびこの疾患のマウスモデルの両方で、X型コラーゲン産生軟骨細胞でシンデカン4が特異的に誘導されることを示す。遺伝的修飾によってシンデカン4を欠くマウスや、関節内にシンデカン4特異的抗体を投与した野生型マウスでは、シンデカン4の喪失によってプロテオグリカンの消失が防がれ、その結果、外科的に誘発した変形性関節症モデルで変形性関節症性軟骨損傷が阻止された。シンデカン4欠損マウスおよびシンデカン4特異的抗体を投与した野生型マウスでは共に、変形性関節症様の軟骨破壊の重症度が低減するが、これはADAMTS-5活性が著しく低下したことによる。シンデカン4は、プロテアーゼとの直接の相互作用や、マイトジェン活性化プロテインキナーゼ(MAPK)に依存するマトリックスメタロプロテイナーゼ3(MMP-3)の合成調節を介して、ADAMTS-5の活性化を制御している。我々のデータから、シンデカン4の阻害を目的とする戦略は、変形性関節症における軟骨損傷治療にきわめて有用だろうと考えられる。

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