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HIV:HIVリザーバーの大きさと維持はT細胞の生存と恒常的増殖に依存している

Nature Medicine 15, 8 doi: 10.1038/nm.1972

高活性抗レトロウイルス剤療法(HAART)による治療を受けている患者では、HIVは潜伏感染したCD4+ T細胞のリザーバー内で生存し続ける。今回我々は、セントラル記憶(TCM)および移行記憶(TTM)CD4+ T細胞がHIVの主要な細胞リザーバーであること、またウイルスの持続は2つの異なる機序によって確立されていることを示す。HAART下でCD4+区画の再構築を示す患者では、HIVは主としてTCM細胞内で生存し続ける。このリザーバーは、T細胞の生存と低抗原量による増殖によって維持されるが、時間とともにゆっくりと減少していく。これとは対照的に、プロウイルスDNAは、CD4+細胞数が少なく、高濃度のインターロイキン7を介した恒常的増殖(CD4+細胞の持続を確実にする機序である)が行われ、血中にウイルスが検出されない患者のTTM細胞で検出されることが多い。今回の結果は、ウイルス根絶はウイルス複製を標的とする治療戦略と、がんの場合のような増殖する記憶T細胞の自己複製と持続を阻害する薬剤との組み合わせにより達成できることを示唆している。

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