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がん:低濃度のRGD関連配列模倣インテグリン阻害剤は腫瘍増殖と血管新生を促進する

Nature Medicine 15, 4 doi: 10.1038/nm.1941

αvβ3およびαvβ5インテグリンの阻害剤は、がん治療用の抗血管新生薬として臨床試験段階に入っているが、概して成果はあがっていない。本論文では、RGD関連配列を模倣したαvβ3およびαvβ5阻害薬が意外にも、低濃度(ナノモル)で腫瘍増殖と腫瘍血管新生を刺激することのin vivoの証拠を提示する。これらの阻害剤は低濃度の場合、αvβ3インテグリンと血管内皮増殖因子受容体2の輸送を変化させることにより内皮細胞のVEGFへの遊走を促して、VEGFが仲介する血管新生を促進する。低濃度のRGD関連配列模倣インテグリン阻害剤の血管新生促進作用は、抗がん剤としての有効性を損なう可能性があり、ヒトでのRGD関連配列模倣化合物の使用にきわめて重要なかかわりをもつ。

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