Technical Report

画像化法:Gaussia princeps由来膜結合型ルシフェラーゼを用いた高感度のT細胞in vivo画像化

Nature Medicine 15, 3 doi: 10.1038/nm.1930

今回我々は、海洋性カイアシ類であるGaussia由来のルシフェラーゼ(GLuc)の膜結合型(extGLucと呼ぶ)を使う、生物発光を利用した新しいT細胞画像化法を開発した。extGLucは、マウスとヒトの初代培養T細胞で安定に発現させることができた。extGLuc+細胞はin vitroで、GLuc、Renillaルシフェラーゼ(RLuc)、あるいは膜結合型RLuc(extRLuc)を発現する細胞に比べて大幅に強い生物発光シグナルを示した。in vivoでは、マウスのextGLuc+ T細胞はGLuc+およびRLuc+ T細胞に比べて強い生物発光シグナルを示した。この画像化法を、腫瘍特異的なキメラ抗原受容体(CAR)を発現するように遺伝学的改変を施したヒトT細胞に適用すると、in vivoで、腫瘍へのCARを介したT細胞集積と長時間のT細胞存続を明らかにでき、ホタルルシフェラーゼを発現するように改変した腫瘍細胞とT細胞との同時画像化が可能となった。この高感度画像化技術は、多様なマウスモデルでの細胞レベルのさまざまなin vivo研究に応用可能である。

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