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遺伝子治療:臨床遺伝子治療でのベクター組み込み部位のゲノム全体にわたる検索

Nature Medicine 15, 12 doi: 10.1038/nm.2057

レトロウイルスベクターは多数の遺伝子治療患者でクローンのわずかな違いを引き起こし、一部の患者では重篤なクローン増殖や白血病を誘発する。このことから、ベクターのバイオセーフティーやゲノム薬物動態、またin vivoでの遺伝子改変細胞クローンの運命を評価するために、ベクター組み込み部位の包括的解析の必要性が高まっている。線形増幅型PCR(LAM-PCR)などの組み込み部位解析には、ゲノムを不均一に小断片化する制限分解法が必要である。本論文では、個々の制限モチーフではゲノム内のすべての組み込み箇所のうちの一部しか同定できず、ベクター挿入後の生体に生じる影響の理解および予測が妨げられることを示す。我々は、ウイルス組み込み部位のゲノム全体での露出度を示し、最適の制限モチーフの組み合わせを与えて露出していない挿入座位の割合を最小限にするモデルを開発した。我々が考案した新しい非制限型LAM-PCR法は、制限モチーフや増幅の効率の低さとは無関係に、前臨床および臨床検体で包括的かつ偏りなく組み込み部位を検索する優れた能力をもっている。

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