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がん:インテグリンαvβ 3−c-Src発がん単位は足場非依存性と腫瘍進行を促進する

Nature Medicine 15, 10 doi: 10.1038/nm.2009

インテグリンは腫瘍細胞の接着依存性増殖、生存および浸潤を調節する。なかでも、インテグリンαvβ 3の発現はさまざまなヒト腫瘍の進行に関連している。本論文では、インテグリンαvβ 3が、膵臓がんなどのがん腫で、これまで報告されていない接着非依存性の役割を担っていることを示す。がん腫で発現されるαvβ 3は、in vitroでは足場非依存性の腫瘍増殖を促進し、またin vivoではリンパ節転移を増加させた。このような影響には、β3インテグリンの細胞質側尾部へのc-Srcの動員が必要であり、これによって、c-Src活性化、CAS(Crk-associated substrate)リン酸化、および腫瘍細胞生存が起こったが、これは意外にも細胞接着あるいは接着斑キナーゼ(FAK)活性化に依存しなかった。c-Srcキナーゼ活性の薬理学的阻害、あるいは内因性のαvβ3インテグリンまたはc-Srcの発現低下によって、足場非依存性増殖ばかりでなく、in vivoでの転移も抑制されたが、これらの操作は腫瘍細胞の移動あるいは浸潤には影響を与えなかった。これらのデータは、インテグリンの1つがもつ足場非依存性のメディエーターという予想外の役割を明らかにしており、またαvβ 3−c-Srcシグナル伝達モジュールによりヒトでのインテグリンαvβ 3発現腫瘍の侵襲性の挙動が説明される可能性も示している。

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