Technical Report

画像化法:前立腺がんのセンチネルリンパ節転移を直接検出するためのアデノウイルス介在型遺伝子発現画像化法

Nature Medicine 14, 8 doi: 10.1038/nm.1727

前立腺がんの治療計画にはリンパ節の関与を高精度で評価することが重要だが、リンパ節病巣を直接視覚化可能な非侵襲性画像化技術はまだない。本研究ではヒト前立腺がんモデルで、組換えヒトアデノウイルスベクターを用いてリンパ節転移を検出可能なことを実証する。この方法は、アデノウイルスに本来備わっているリンパ向性特性をもつウイルスベクターによって、光学および陽電子放出断層撮影(PET)の画像化レポーター遺伝子を前立腺に限定発現させることによっている。このベクターを腫瘍周辺へ投与すると、センチネルリンパ節内の転移巣におけるレポーター遺伝子の発現が直接検出できる。この方法は現行のリンパシンチグラフィー法と類似しているが、センチネルリンパ節転移をPETで直接視覚化でき、侵襲的なリンパ節切除が不要となることは注目に値する。これらの知見は、進んだステージにある前立腺がん患者のための、より有効な診断戦略および治療戦略につながると考えられる。

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