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炎症:TRPM2介在性Ca2+流入が単球のケモカイン産生を誘導し炎症性好中球浸潤を悪化させる

Nature Medicine 14, 7 doi: 10.1038/nm1758

ケモカインは活性酸素種(ROS)によって誘導され、傷害部位や感染部位への炎症性細胞の動員を引き起こす。今回我々は、細胞表層膜Ca2+透過性チャネルTRPM2が、単球でROS誘導性ケモカイン産生を制御することを示す。ヒトU937単球では、過酸化水素(H2O2)がTRPM2を通るCa2+流入を引き起こし、Ca2+依存性チロシンキナーゼPyk2を活性化し、Ras GTPアーゼを介するErkシグナル伝達を増強する。これが、ケモカインのインターロイキン8(CXCL8)の産生に必須であるNF-κB(nuclear factor-κB)の核移行を引き起こす。Trpm2欠損マウスから採取した単球では、H2O2誘導性のCa2+流入とマウスでのCXCL8の機能的ホモログであるマクロファージ炎症性タンパク質(CXCL2)の産生が障害されていた。デキストラン硫酸ナトリウム誘発性腸炎炎症モデルでは、CXCL2の発現、好中球の浸潤および潰瘍形成がTrpm2遺伝子破壊により軽減した。したがって、TRPM2によるCa2+流入はケモカイン産生をもたらすROS介在性シグナル伝達カスケードを制御し、炎症を悪化させる。我々は、TRPM2チャネルの機能的阻害は、炎症性疾患の新たな治療戦略となると考える。

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