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ウイルス:CAML(calcium-modulating cyclophilin ligand)はHIV-1放出に対するヒト宿主抑制因子であり、その働きはVpuによって克服される

Nature Medicine 14, 6 doi: 10.1038/nm1778

HIV-1のVpuタンパク質は、ヒト細胞からの効率よいウイルス放出に必要とされる。HIV-2では、エンベロープ(Env)タンパク質がVpuの代わりをする。VpuおよびHIV-2のEnvはともに、ヒト細胞内に本来備わっている宿主細胞閉鎖機構に拮抗することによりウイルス放出を促進するが、この機構はアフリカミドリザル(AGM)の細胞には存在しない。今回我々は、CAML(calcium-modulating cyclophilin ligand)がVpuと相互作用する宿主因子として働き、HIV-1放出を抑制することを突き止めた。CAMLGにコードされるヒトCAMLをAGM細胞で発現させると、ウイルス放出が強力に抑制され、この影響はVpuおよびHIV-2 Envにより消失することから、CAMLがこれら2つのウイルス制御因子の作用機構にかかわっていることが示唆される。ヒト細胞でCAMLを欠失させると、HIV-1やマウス白血病ウイルスの放出促進にVpuが必要でなくなる。これらの結果は、CAMLがヒト細胞からのHIV放出を阻害するVpu感受性宿主抑制因子であることを示している。CAMLがウイルス放出を抑制する能力は、HIVに対する新たな治療戦略につながるかもしれない。

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