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免疫:転写因子FOXO3aはHIV感染中に記憶CD4+T細胞の持続を制御する

Nature Medicine 14, 3 doi: 10.1038/nm1728

セントラル記憶CD4+T細胞(TCM細胞)の減少速度からHIV疾患の進行が予測されるため、TCM細胞の持続性はHIV/AIDSにおける免疫学的防御に相関する主要な因子といえる。本研究では、HIV+エリート感染者(elite controller:EC)のTCM細胞とエフェクター記憶CD4+T細胞(TEM細胞)は、治療が成功し血中にウイルスの存在しない(ST)患者あるいはHIV-ドナーと比較した場合、Fasがかかわるアポトーシスに対する感受性がより低く、またT細胞受容体を複数回活性化した後も長く生存することを示す。EC患者のTCM細胞のもつ持続性は、FOXO3a経路不活性化の直接の結果であることがわかった。低分子干渉RNAあるいは優性ネガティブ型FOXO3a(FOXO3a Nt)導入によって転写活性型FOXO3aをサイレンシングすると、ST患者由来のTCM細胞の長期生存期間が、EC患者のTCM細胞と同程度の長さに延びた。記憶細胞の生存にFOXO3aが重要な役割を持つことは、EC患者でのウイルス複製制御の基盤となっている免疫学的機構の解明に役立つだろう。

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