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薬疹:グラニュリシンは、スティーヴンズ・ジョンソン症候群および中毒性表皮壊死症における散発性の角化細胞壊死の重要なメディエーターである

Nature Medicine 14, 12 doi: 10.1038/nm.1884

スティーヴンス・ジョンソン症候群(SJS)および中毒性表皮壊死症(TEN)は、表皮の広範な壊死を特徴とする、生命にかかわる重篤な薬物有害反応であり、これの特異的な危険因子は明らかにされていない。今回我々は、SJS-TEN患者の皮膚病変部から採取した水疱細胞は主として細胞傷害性Tリンパ球(CTL)およびナチュラルキラー(NK)細胞からなり、水疱液と細胞の両方が細胞傷害性であることを示す。遺伝子発現プロファイリングから、最も高度に発現されている細胞傷害性分子がグラニュリシンであることが突き止められ、定量的PCRおよび免疫組織化学的方法によって確認された。水疱液中のグラニュリシン濃度は、パーフォリン、グランザイムBあるいは可溶性Fasリガンドの濃度よりも2〜4桁高く、グラニュリシンを枯渇させると細胞傷害性が低下した。水疱液内のグラニュリシンは15 kDaの分泌型であり、これをマウス皮内に投与するとSJS-TENに類似した特徴が生じる。この知見は、分泌型グラニュリシンが、SJS-TENにおける角化細胞の散在的な壊死の原因となる重要な分子であることを立証し、CTLまたはNK細胞が介在する、直接的な細胞接触を必要としない細胞傷害性の機構を明らかにしている。

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