Technical Report

画像化法:コンピューター断層撮影用ナノ粒子造影剤を用いたマクロファージの非侵襲的検出

Nature Medicine 13, 5 doi: 10.1038/nm1571

「高リスク性」アテローム斑の繊維性被膜が突然崩壊すると、冠動脈内に閉塞性血栓の形成を引き起こして急性冠症候群の原因となることがある。高リスク性アテローム斑の特徴は、血管腔に及ぼす影響にあるのではなく、内容物が細胞的にも生物学的にも特殊なこと(特にマクロファージの密度が高い)にある。高リスク性の斑の早期発見は、虚血防止に役立つ可能性がある。冠動脈内の高リスク性アテローム斑の検出における主な障害の1つは、時間的・空間的に高い分解能でアテローム斑の組成を特定できる画像診断法がないことである。今回我々は、界面活性剤を用いたヨード化ナノ粒子分散系である造影剤をウサギに静脈注射すると、臨床用X線コンピューター断層撮影(CT)スキャンでアテローム斑内のマクロファージを検出できることを示す。この造影剤は、CTを使った冠動脈の臨床評価用の重要な補助手段となる可能性がある。

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