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心疾患:セマフォリン3aは交感神経支配の分布様式を介して心臓の正常なリズムを維持する

Nature Medicine 13, 5 doi: 10.1038/nm1570

交感神経支配は効率的な心機能にとって重要である。しかしながら、心臓交感神経支配の密度と分布様式(パターン)を決める発生と制御のメカニズムは明らかではなく、交感神経支配の不整脈発現における役割も明確にされていない。今回我々は、神経軸索伸展阻害因子セマフォリン3a(Sema3a)が心臓交感神経支配パターンを確立することを示す。Sema3aは発生段階の心臓内層(肉柱層)に豊富に発現するが、生後はプルキニエ繊維に局在し、心外膜から心内膜への心臓壁の交感神経支配パターンを形成する。Sema3a-/-マウスでは心臓交感神経支配の勾配がなく、星状神経節の異常形成を示し、交感神経の機能不全により顕著な洞性徐脈を来たした。心臓特異的Sema3a過剰発現トランスジェニックマウス(SemaTG)では交感神経支配が減少しており、心外膜-心内膜神経支配勾配が消失した。SemaTGは突然死を起こし、心室頻拍を発生しやすかったが、これはカテコールアミンに対する感受性の増加と活動電位幅の延長によるものであった。我々は、心臓での適正なSema3a発現が交感神経支配パターンに必要であり、正常な心臓のリズム形成の制御に重要であると結論する。

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