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癌:IFN-γは初回免疫療法成功後のCD4+T細胞の消失を仲介し、腫瘍に対する二次応答を妨げる

Nature Medicine 13, 3 doi: 10.1038/nm1554

癌に対する防御を行う細胞性免疫応答には、インターフェロンγ(IFN-γ)などの1型ヘルパーT(TH1)細胞関連サイトカインがきわめて重要である。我々は以前、進行した転移性疾患のいくつかのモデルで、CD40刺激とインターロイキン2(IL-2)の組み合わせが相乗的な抗腫瘍応答を引き起すことを示した。本論文では、こうした処置や他の免疫療法プログラムの実施後、CD4+ T細胞集団は、CD8+ T細胞とは異なって大幅に増加することがなく、むしろIFNγに依存する相当量のアポトーシスが見られたことを報告する。腫瘍細胞で免疫され、当初は防御力を発揮するような免疫療法を受けたマウスは、時間が経つと、腫瘍細胞で免疫されたが免疫療法を受けなかったマウスに比べて効果的なメモリー応答を行えなくなった。腫瘍のあるIfngr-/-マウスに免疫療法を行うと、二次応答が回復した。したがって、強力なIFN-γ応答を誘導する免疫療法プログラムは早期に有効な抗腫瘍効果を引き起こすことがあるが、持続性のある抗腫瘍応答の進展を損なう可能性がある。

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