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CAGリピート病:ASC-J9はアンドロゲン受容体の変性を介して球脊髄性筋萎縮症の表現型を改善する

Nature Medicine 13, 3 doi: 10.1038/nm1547

延長したポリグルタミン鎖を含むアンドロゲン受容体(AR-polyQ)の凝集によって引き起こされる運動ニューロン変性は、球脊髄性筋萎縮症(SBMAあるいはケネディ病)の発症につながる。本論文では、5-ヒドロキシ-1,7-ビス(3,4-ジメトキシフェニル)-1,4,6-ヘプタトリエン-3-オン(ASC-J9)の添加によって、ARとそのコレギュレーター間の相互作用が阻害され、培養細胞ではAR-polyQの核内凝集減少とAR-polyQ変性の増加によって生存細胞数も増大したことを報告する。AR-polyQを発現するトランスジェニックSBMAマウスの腹腔内にASC-J9を投与すると、筋萎縮の軽減によって明らかな、病状の著しい改善がみられた。SBMAの症状軽減のためにこれまで行われていた外科的あるいは化学的な去勢とは異なり、ASC-J9投与は血清テストテスロン値にはほとんど変化を与えずにAR-97Qの凝集を低減させ、VEGF164の発現を増加させてSBMAの症状を改善したことは注目すべきである。さらに、ASC-J9を投与したマウスでは正常な性機能と生殖能が保持されていた。今回の結果は、ARとARのコレギュレーター間の相互作用の阻害による、SBMAに対するよりよい治療および予防法を示すものである。

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