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MRSA:市中感染型MRSAの重要な毒性因子としての新規細胞溶解性ペプチドの同定

Nature Medicine 13, 12 doi: 10.1038/nm1656

メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)は現在でも主要なヒト病原体である。これまでMRSA感染はもっぱら病院内で発生しており、免疫不全患者か危険因子をもつ人々に限られていた。しかし最近、市中感染型(CA)MRSA株に起因する感染症の憂慮すべき流行が起こっており、これは保健医療関連環境以外で、健康な成人に壊死性筋膜炎や死に至る場合もある重篤な感染症を引き起こすことがある。米国では現在、救急部門へ搬送される感染症の大部分の原因がCA-MRSAである。院内感染型株に比べて、CA-MRSA株がヒト疾患を引き起こしやすい理由は不明である。本論文では、ブドウ球菌の分泌型ペプチドの一群について報告する。これらのペプチドは、ヒト好中球の動員、活性化、さらに溶解を引き起こす能力が著しく高く、黄色ブドウ球菌感染に対する主要な細胞性防御機構を破壊してしまう。これらのペプチドは、標準的なCA-MRSA株によって高濃度で産生され、感染の動物モデルでCA-MRSA株が疾患を引き起こすのに大きく寄与している。今回の研究は、黄色ブドウ球菌のこれまで性質が不明であった一連の毒性因子を明らかにしたもので、これによりCA-MRSAの強い病原性の少なくとも一部を説明できる。

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