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黒色腫:胚発生と腫瘍化の経路はNodalシグナルを介して収束する:黒色腫の悪性度における役割

Nature Medicine 12, 8 doi: 10.1038/nm1448

癌の進行と胚発生の両者に対して、双方向性の細胞間情報伝達は不可欠である。さらに、悪性度の高い腫瘍細胞は表現型に可塑性があり、胚細胞と多くの特性を共有する。これら2種の細胞の類似点から、発生途上にあるゼブラフィッシュを腫瘍由来のシグナルに対するバイオセンサーとして用いることが可能となる。本論文ではこの系を用い、悪性度の高い黒色腫細胞がNodal(胚の強力なモルフォゲン)を分泌し、その結果、胚軸の異所的形成を誘導することを示す。また、Nodalはヒトの転移性腫瘍に存在するが、正常な皮膚には存在しないことから、黒色腫の発生機序に関与している可能性があることを示す。Nodalシグナル伝達の阻害により、黒色腫細胞の浸潤性、コロニー形成および腫瘍形成能が低下する。さらに、Nodalの阻害は、黒色腫細胞のメラノサイト表現型への復帰を促進する。今回の結果は、Nodalシグナル伝達が黒色腫細胞の可塑性および腫瘍形成能に対して重要な役割をもち、腫瘍進行の制御にかかわるこれまで知られていなかった分子標的であることを示している。

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