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遺伝子治療で免疫不全を救済

Nature Medicine 12, 4 doi: 10.1038/nm1393

X連鎖性慢性肉芽腫症(X-CGD)の遺伝子治療を受けた2人の成人患者で臨床症状の改善が見られたことが報告された。X-CGDは免疫不全症の1つで、免疫系の細胞群の1つである食細胞の酸化的抗菌活性の異常が原因であり、この異常はgp91phoxをコードする遺伝子の変異によって起こる。2人の患者にこのgp91phoxの遺伝子を相当量導入したところ、正常に機能する食細胞が多数生じ、臨床的に明らかな改善が見られた。今回の試みではgp91phoxをコードする遺伝子のゲノムへの挿入部位がよかったために治療効果が高まったようだが、これらの知見から、遺伝子治療がX-CGDに効果を示すことがわかった。

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