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化学療法:化学療法の使用指針となるゲノム特性

Nature Medicine 12, 11 doi: 10.1038/nm1491

我々はin vitroの薬剤感受性データをAffymetrix社のマイクロアレイデータと組み合わせることで、個々の化学療法薬に対する感受性を予測する遺伝子発現特性を明らかにした。個々の遺伝子発現特性は、別途おこなわれた一連の細胞系列試験で得られた反応データによって検証した。また、こうした遺伝子発現特性の多くが、当該薬剤が投与された被験者の示す臨床反応を正確に予測可能なことも示す。個々の薬剤に対する反応を予測するための遺伝子発現特性を組み合わせると、多剤併用療法に対する反応が推定できる可能性のあることは注目に値する。さらに、化学療法に対する反応性を示す遺伝子発現特性を、発癌経路の脱制御を示す遺伝子発現特性と統合して、使用可能なあらゆる薬剤を用いる新たな治療戦略をみつけだした。一般的に使用されている細胞毒性薬に対する反応を予測可能な遺伝子発現プロファイルが開発されれば、既存の標的治療と組み合わることなどにより、こうした薬剤をよりうまく使う機会が得られるであろう。

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