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免疫:ヒト化マウスはEBVおよびTSST-1に対する特異的な適応免疫応答と自然免疫応答を起こす

Nature Medicine 12, 11 doi: 10.1038/nm1431

本論文では、ヒト胎児の胸腺組織と肝組織を前もって移植したNOD/SCIDマウスに、自家組織であるヒト胎生造血性CD34+肝細胞を移植したところ、長期にわたる全身的なヒトT細胞恒常性が生じたことを報告する。さらに、これらのマウスではヒトのB細胞、単球、マクロファージ、樹状細胞(DC)の全身での再増殖がみられた。こうしたマウスのT細胞は、エプスタイン・バーウイルス(EBV)感染に対してヒト主要組織適合性複合体クラスIおよびクラスII拘束性の適応免疫応答を生じ、ヒトDCにより活性化されてスーパー抗原に対する強力なT細胞免疫応答を起こす。スーパー抗原である毒素性ショック症候群毒素1(TSST-1)を投与すると、ヒトVβ2+ T細胞の特異的・全身的な増大、ヒト炎症性サイトカイン類の放出、ヒトCD11c+樹状細胞の局所的かつ特異的な活性化および成熟が起こる。これは、ヒトDCによるTSST-1への差別的応答を可能にするような、長期的かつ全身的なヒトT細胞再構築をin vivoで実証した最初の例である。

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