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アルツハイマー病:アルツハイマー病で見られる神経血管機能不全におけるMEOX2ホメオボックス遺伝子の役割

Nature Medicine 11, 9 doi: 10.1038/nm1287

神経血管の機能不全はアルツハイマー病の大きな要因である。今回、ヒト脳の内皮細胞(BEC)の転写プロファイリングをおこない、年齢とは無関係であるがアルツハイマー病では発現が大きく変化する遺伝子群を同定した。この中には、アルツハイマー病で発現が低下している血管分化調節因子であるホメオボックス遺伝子MEOX2GAXとも呼ばれる)が含まれる。アルツハイマー病患者由来のBECで、ウイルスを使ったMEOX2遺伝子のサイレンシングおよび導入から、MEOX2遺伝子がコードするタンパク質であるGAXの発現を回復させると血管新生が促進され、AFX1フォークヘッド転写因子を介したアポトーシスが転写段階で抑制され、主なアミロイドβペプチド(Aβ)クリアランス受容体である低密度リポタンパク質受容体関連タンパク質1(LRP)の血液脳関門における量が増加することがわかった。マウスでは、Meox2Gaxとも呼ばれる)の欠失が、脳の毛細管密度低下や安静状態における脳血流量の減少、脳内の低酸素状態に対する血管新生応答の喪失、LRP量の減少による脳からのAβ流出の障害を引き起こした。アルツハイマー病でMEOX2と神経血管機能不全との間のつながりが明らかになったことは、この疾患の機序および治療に関する新たな手がかりとなる。

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