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炎症:ケモカイン受容体由来ペプデューシン類による全身性炎症反応症候群の回復

Nature Medicine 11, 6 doi: 10.1038/nm1245

本論文では、単一あるいは複数のケモカイン受容体を標的とするペプデューシン(pepducin)と命名された細胞透過性リポペプチドを使った、致死的な敗血症の新規治療法について報告する。受容体CXCR1あるいはCXCR2のリガンドであるインターロイキン8(IL-8)は、敗血症で見られる内因性の最も強力な炎症性ケモカインである。血中あるいは肺分泌液中のIL-8濃度が上昇すると、好中球などの細胞が活性化され、ショックや肺損傷、死亡率の上昇につながる。マウスでは、CXCR1およびCXCR2の細胞内部にあるループ構造中のi1あるいはi3領域由来のペプデューシンが、これら2つの受容体のIL-8応答を妨げ、播種性血管内凝固症候群や多臓器不全などの敗血症による致死的な続発症を回復させることを示す。一方、CXCR4選択的に働くペプデューシンは重篤な白血球増加症を引き起こし、生存率に影響を与えない。CXCR1およびCXCR2由来ペプデューシンでは治療が遅延した場合でもほぼ100%の生存率が見られ、この方法は症状が進行した後にも有効だろうと考えられる。

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