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動脈硬化症:アポリポタンパク質Mはpreβ-HDLの形成とコレステロールのHDLへの移行に必要であり、アテローム性動脈硬化症を防止する。

Nature Medicine 11, 4 doi: 10.1038/nm1211

高密度リポタンパク質(HDL)はコレステロールを末梢組織から肝臓へと逆輸送して、その排泄と分解を仲介するので、アテローム発生を予防すると考えられている。本論文では、HDL粒子を構成するアポリポタンパク質M(アポM)を欠損したマウスでは、大型のHDL粒子(HDL1)中にコレステロールが蓄積されるが、HDLのpreβ-HDLへの変換に欠陥が生じることを示す。このため、アポM欠損マウスは、脂質に乏しいアポリポタンパク質の一種で、末梢組織の細胞に由来するコレステロールの重要な引き受け手となるpreβ-HDLを欠く。preβ-HDLが欠乏すると、in vitroでマクロファージからアポM欠損HDLへのコレステロールの移行が、正常のHDLの場合に比べて著しく低下する。Ldlr-/-マウスでのアポMの過剰発現は、高コレステロール食を与えた場合のアテローム性動脈硬化症の発生に対する防止効果があり、アポMがpreβ-HDLの形成とコレステロールのHDLへの移行に重要であり、アテローム性動脈硬化症による病変形成を抑制していることがわかる。

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