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多発性硬化症:多発性硬化症の動物モデルで樹状細胞はCNSの免疫浸潤を許容する

Nature Medicine 11, 3 doi: 10.1038/nm1197

多発性硬化症の動物モデルである実験的自己免疫性脳脊髄炎は、ミエリン抗原を用いた免疫により発症が誘導される。この疾患は、脳炎惹起性CD4+ヘルパーT(TH)リンパ球の未処置正常マウスへの移入によっても誘導できる。このようなT細胞が標的を認識するには、主要組織適合複合体(MHC)クラスIIを有する抗原提示細胞(APC)のもとで同種抗原と再度遭遇する必要がある。中枢神経系(CNS)へのT細胞浸潤を媒介するAPCの細胞種と局在場所についてはわかっていない。本論文では、リンパ細網系およびCNS実質のAPCは、CNSへの免疫浸潤に必要ではないことを示す。また、ヒト脳組織内には、血管に付随した別の樹状細胞(DC)集団が存在することも明らかにする。マウスでは、プライミングされたミエリン反応性T細胞へin vivoで抗原提示をしてCNSの炎症と臨床症状の発症を引き起こすには、CD11c+DCだけで十分である。

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