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免疫:形質細胞様樹状細胞での短鎖干渉RNAによるTLR7を介したIFN-αの強力な配列特異的誘導

Nature Medicine 11, 3 doi: 10.1038/nm1191

RNA干渉技術において、短鎖干渉RNA(siRNA)は、長い二本RNAの場合によく起こるI型インターフェロン(IFN)の標的とは無関係な誘導を回避するために用いられる。本論文では、ウイルス核酸の探知とI型IFNの産生に特殊化した免疫細胞亜集団である形質細胞様樹状細胞(PDC)で、一部のsiRNA配列がGU含有率には依存せずに、IFN-α産生の強力な刺激物となることを示す。強力なIFN-α誘導性siRNAの免疫賦活性モチーフはセンス鎖に存在し、免疫賦活と標的サイレンシングを切り離すことが可能となった。免疫賦活性siRNAをマウスに注射すると、陽イオン性リポソームと複合体を形成させた場合に、血清IFN-αおよび脾臓T細胞と樹状細胞の活性化を含む全身的な免疫応答をTLR9リガンドと同程度に誘導した。siRNAによる免疫賦活は、TLR7欠損マウスでは認められなかった。したがって、PDCにおける配列特異的なTLR7依存性免疫認識は、siRNAのさらなる生物活性として考慮する必要があり、免疫賦活性RNA(immunostimulatory RNA、isRNA)と呼ぶのが適当であろう。

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