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免疫:XLPで欠失しているタンパク質SAPによるNKT細胞発生の調節

Nature Medicine 11, 3 doi: 10.1038/nm1189

アダプター分子SAPは、Tリンパ球およびナチュラルキラー(NK)細胞に発現し、それらの細胞においてサイトカイン産生と細胞傷害性を調節している。本論文では、SH2D1A遺伝子座にコードされているSAPが、感染、癌および自己免疫疾患に対する免疫調節機能を有するリンパ球亜集団であるNKT細胞の発生においてもきわめて重要な役割をもっていることを示す。NKT細胞特異的アゴニストであるα-ガラクトシルセラミド(αGC)による刺激後、Sh2d1a-/-の脾臓細胞は、サイトカインを産生したり、あるいはNKT細胞依存的に他のリンパ球系列を活性化したりすることはなかった。αGCによって引き起こされる免疫応答の異常を評価しているときに、我々はSh2d1a-/-の動物の胸腺と末梢器官がNKT細胞を欠失していることを見出した。NKT細胞の個体発生の欠陥は造血系細胞の自律性によるものであり、またSh2d1a-/-の骨髄細胞におけるSAP発現の再構築によって回復させることができた。SH2D1Aに生殖細胞系列変異を有する17人のX連鎖性リンパ球増殖症(XLP)患者もまたNKT細胞を欠失していた。さらに、女性のXLP保因者は、NKT細胞内で完全に偏ったX染色体不活性化を示していたが、この不活性化はT細胞やB細胞ではみられなかった。したがってSAPは、ヒトおよびマウスにおいて、NKT細胞の個体発生のきわめて重要な調節因子である。NKT細胞の欠損は、異常な抗ウイルスおよび抗腫瘍免疫ならびに低ガンマグロブリン血症を含むSAP欠損の表現型の一因となっていると考えられる。

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