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ホルモン:エストロゲンスルホトランスフェラーゼ欠損マウスでは胎盤血栓症による自然胎児死亡が起こる。

Nature Medicine 11, 2 doi: 10.1038/nm1184

エストロゲンスルホトランスフェラーゼ(EST, SULT1E1にコードされている)は、エストロゲンへの硫酸基の共役付加と不活性化を触媒する酵素である。エストロゲン硫酸化の生理的役割については数十年にわたる生化学的な研究がなされており、また高濃度のエストロゲン硫酸塩が妊娠女性および非妊娠女性の血中を循環していることが認められているにもかかわらず、ほとんど判明していない。本論文では、マウスのSult1e1遺伝子の除去によって、胎盤血栓症と自然胎児死亡が起こることを示す。この表現型は、全身および羊水中の遊離エストロゲン濃度の上昇、胎盤における組織因子発現量の増加、およびex vivoでのアゴニスト誘導による血小板の活性化感受性亢進と関連していた。Sult1e1ヌル妊娠マウスに抗凝固剤もしくは抗エストロゲン剤を投与すると胎児死亡の表現型は見られなくなった。したがって、これらの結果はEstが胎盤における重要なエストロゲン修飾因子であることを明らかにしており、エストロゲン過剰と血栓性胎児死亡とのつながりを示唆している。これらの知見は、ヒトの不育症と子宮内成長遅延の解明と治療に関連があると思われる。

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