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肥満:脂質ホスファターゼSHIP2の欠損では、食餌性肥満に対する抵抗性が生じる

Nature Medicine 11, 2 doi: 10.1038/nm1178

SHIP2(SH2-domain containing inositol 5-phosphatase 2)をコードしているInppl1遺伝子を除去するときわめて高いインスリン感受性が誘発され、出生後間もなく死亡することが以前に報告されている。以前の研究では、ターゲティングコンストラクトには正常なInppl1をコードしている初めの18個のエクソンがそのまま残され、Inppl1Ex19-28−/−マウスが作出されたが、第2番目の遺伝子であるPhox2aも削除されていたらしい。本論文では、翻訳開始コドンであるATGを標的とした新しいSHIP2ノックアウトマウス(Inppl1−/−)について報告する。このマウスは、Inppl1のmRNAとタンパク質を完全に欠いている。Inppl1−/−マウスは生存可能で、血糖値とインスリン値、インスリン感受性や耐糖能は正常であった。しかし、Inppl1−/−マウスは、高脂肪食を与えた場合の体重増加に高度な抵抗性を示した。これらの結果から、SHIP2の阻害は食餌性肥満の改善には有効であると考えられるが、SHIP2が血糖の恒常性調節に重要な役割を担うことは疑わしいと思われる。

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