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動脈瘤:c-Jun N末端キナーゼの抑制による腹部大動脈瘤の退縮

Nature Medicine 11, 12 doi: 10.1038/nm1335

腹部大動脈瘤(AAA)は高齢者でよく見られる疾患で、外科的治療ができない場合には大動脈の進行性の拡張をひきおこし、さらには死亡率の高い破裂に至る。AAAに対する非外科的な治療が待ち望まれているが、その分子レベルでの病因が依然として明らかでないため、手術の他に選択できる治療法はほとんどない。本論文では、JNKがAAAの疾病メカニズムにおける重要なシグナル伝達分子であることを示す。ヒトAAA組織では高レベルのJNKリン酸化が認められた。JNKは複数の細胞種で、細胞外マトリックスの生合成酵素を抑制する一方で、細胞外マトリックスの分解を高めるよう、統合的に遺伝子の発現パターンをプログラムしていた。in vivoでのJNKの選択的阻害は、2種のマウスモデルでAAAの進行を抑止するだけでなく、確立したAAAの退縮を引き起こした。したがって、JNKはAAA組織において細胞外マトリックスの異常な代謝を促進しており、治療標的となる可能性がある。

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