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SLE:ループス液性自己免疫で見られる初期の現象からは分子擬態を介した発病機構が示唆される

Nature Medicine 11, 1 doi: 10.1038/nm1167

全身性エリテマトーデス(SLE)における自己免疫疾患の原因には、遺伝因子および環境因子の両方が含まれると考えられている。自己免疫を誘発する可能性がある環境因子を同定するため、我々はヒトSLEにおける自己抗体反応を臨床的な発病以前に遡って追跡し、60 kDa Roに対する抗体が陽性である数人のループス患者について最初期自己抗原エピトープを同定した。この最初期エピトープは、潜伏性ウイルスタンパク質であるエプスタイン・バーウイルス核内抗原-1 (EBNA-1)由来ペプチドと直接に交差反応する。60 kDa Roの最初期エピトープまたは交差反応性EBNA-1エピトープのいずれかを用いて免疫した動物は、Roの複数のエピトープおよびスプライセオソームの自己抗原に結合する自己抗体を徐々に産生し、最終的には白血球減少症、血小板減少症および腎不全のようなループスの臨床症状を呈するようになる。これらの結果は、ヒト・ループスにおける一部の液性自己免疫がEBNA-1とループス自己抗原との間の分子擬態によって生じるという仮説を裏付けており、またSLEにおいてエプスタイン・バーウイルスが病因の1つとなるという疑いに対するさらなる証拠でもある。

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