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白血病:ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤は細胞死受容体経路を活性化することで腫瘍選択的なアポトーシスを誘導する

Nature Medicine 11, 1 doi: 10.1038/nm1160

ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)は、転写やp53による腫瘍抑制などの特定の細胞機能を調節し、癌でしばしば変化がみられる。HDACの阻害剤(HDACI)は抗腫瘍活性をもち、許容性が高く、癌治療の特異的戦略の開発につながりそうだと考えられているが、その選択的な抗腫瘍活性の分子基盤はわかっていない。今回、PML-RARまたはAML1-ETO癌タンパク質を発現する白血病に対するHDACIの作用を調べた。こうしたタンパク質は、HDACの調節解除により白血病の誘発に関与することが知られている。本論文では、(1)HDACIは白血病性芽球のアポトーシスを誘導するものの、正常細胞では癌遺伝子の発現はHDACI感受性をもたらすのには十分でないこと、(2)アポトーシスはp53に依存せず、in vitroでもin vivoでも細胞死受容体経路(TRAILおよびFasシグナル伝達経路)の活性化に依存すること、(3)白血病性細胞では、TRAIL、DR5、FasL、Fasの発現がHDACIによって促進されるが、正常造血前駆細胞では促進されないことを報告する。これらの結果は、白血病のHDACIに対する感受性は、完全に形質転換された表現型に備わる性質であり、特異的な細胞死経路の活性化に依存することを意味する。

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