Review Summary

非てんかん症状の治療に用いられる抗てんかん薬の神経生物学的作用

Nature Medicine 10, 7 doi: 10.1038/nm1074

抗てんかん薬(AED)は、偏頭痛や慢性的な神経因性疼痛、気分障害、統合失調症、神経筋症候群などを含む非てんかん症状にも広く処方されている。抗てんかん薬は、てんかんに対する場合と同じく、これらの症状の多くで、電位依存性ナトリウムチャネルおよびカルシウムチャネルに影響をおよぼして神経(もしくは筋肉)の興奮を修飾するか、あるいはγ-アミノ酪酸(GABA)A受容体が介在する阻害作用の促進により作用する。神経因性疼痛では、慢性的な神経損傷はナトリウムおよびカルシウムチャネルの分布状態の変更、あるいはサブユニット組成の変更をともない、これによってしばしば異所的に、自発的な、あるいは不適切な高頻度での感覚路ニューロン発火が起こりやすくなる。AEDは、痛覚特異的な発火に選択的に作用して、このような異常な神経活動を打ち消している可能性がある。例えば、AEDの多くは電位依存性のナトリウムチャネルを使用依存的に遮断して、高頻度の活動電位発生を抑制する。また、AEDは病因となるチャネルを特異的に標的としているのかもしれない。例えば、抗てんかん薬ギャバペンチンは、神経損傷後に感覚神経で過剰発現されるα2δ電位依存性カルシウムチャネルサブユニットのリガンドである。また、ニューロンの可塑性と生存を調節するシグナル伝達経路へのAEDの作用が、双極性感情障害などの神経精神医学的症状でのAEDの臨床効果発現を遅らせる要因となる可能性を示す証拠が得られつつある。

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