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変異率:塩基対分解能の変異率モデルからポリメラーゼIIIによる転写がもたらす変異誘発効果が明らかになる

Nature Genetics 55, 12 doi: 10.1038/s41588-023-01562-0

de novo変異の発生率は、ゲノム上の位置、塩基配列の状況、DNA鎖に依存して大きく異なる。選択強度の推定、人口統計学的な履歴の推論、希少疾患遺伝子のマッピングを行う方法が成功するかどうかは、局所の変異率の想定に大きく依存している。本論文では、局所変異率の既知の決定要因を組み込んだゲノム規模の変異率モデルであるRouletteを示す。Rouletteは、塩基対レベルの分解能で変異率を示し、既存のモデルよりも正確であることが分かった。Rouletteを用いて、全範囲のヒト変異率を組み込むことで、ヨーロッパの人口増加の推定値を改善した。このモデル予測からの大幅な逸脱を解析すると、ポリメラーゼIII(Pol III)によって転写されるほぼ全ての遺伝子で変異率が10倍上昇していることが明らかになり、新たな変異誘発機構が示唆された。また、転写因子結合部位の中で変異率の上昇が見られるのは、精巣で活発に使用されるプロモーター部位に限定されていることが分かった。

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