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構造変異:がんゲノム内のほとんどの大規模な構造バリアントがロングリードを必要とせず検出できる

Nature Genetics 55, 12 doi: 10.1038/s41588-023-01540-6

ショートリードゲノム解析はがんゲノミクスの主力であるが、構造バリアント(SV)の多く、特に大規模な染色体変化を見逃していると考えられている。ショートリードゲノム解析で見逃されているSVの特徴を明らかにするために、隣接するDNA断片の間のDNA塩基配列(マスバランス)の局所的な不均衡である「loose end」を解析した。1330の高純度がん全ゲノムのloose endでは、ヒトゲノムでコピー数が確実に測定できる87%の領域に関しては、ほとんどの大規模な(> 10 kb)クローン性SVがショートリードゲノム解析で完全に解明できた。一部のloose endsは新生テロメアを伴っており、これはテロメラーゼ非依存性テロメア伸長(alternative lengthening of telomeres:ALT)に起因する現象であると捉えることができる。これらの汎がん所見は、乳がんと悪性黒色腫の38症例でロングリードゲノム解析によって確認された。我々の結果から、がんの大規模なSVの大部分が不適切な相同組換えによって引き起こされるのではないと考えられる。さらに、ショートリード全ゲノムデータにおけるマスバランス解析により、がんのゲノム構造の驚くほど完全な像が得られた。

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