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免疫療法:チェックポイント阻害依存性の抗腫瘍免疫におけるPOLEおよびPOLD1変異が機能に及ぼす影響の全体像

Nature Genetics 54, 7 doi: 10.1038/s41588-022-01108-w

ゲノムの忠実度を制御する経路の異常は、免疫チェックポイント阻害療法(ICB)に対する反応の改善と関連がある。POLE/POLD1の病因性変異は超変異(hypermutation)を引き起こし得るが、POLE/POLD1の多様な変異がICB後の抗腫瘍免疫にどのような影響を及ぼすかは分かっていない。本論文では、ICBにおけるPOLE/POLD1変異の影響を包括的に明らかにし、これらの変異が腫瘍免疫に及ぼす影響をメカニズムの面から解明した。Pole/Pold1の機能的変異を持つマウス同系移植腫瘍では、抗腫瘍免疫が増強されていて、ICBに感受性であった。明確なPOLE/POLD1変異シグネチャー陽性腫瘍を持つ患者は、野生型腫瘍あるいはシグネチャー陰性腫瘍を持つ患者よりもICBによく反応した。変異型POLE/POLD1の機能に関連するシグネチャーを用いたモデルは、POLE/POLD1変異患者の中でICBにより恩恵を受ける人の特定が、従来のいくつかの手法より優れていた。驚くべきことに、変異シグネチャーのスペクトルは、ネオアンチゲンの生化学的特徴と相関していた。POLE/POLD1機能関連のシグネチャーに変化が引き起こされると、T細胞受容体(TCR)と接触する残基の疎水性が高まり、T細胞による認識を促進する可能性がある。まとめると、POLE/POLD1変異の機能的影響が明らかになることにより、免疫療法の有効性について分かってくる。

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