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GWAS:同胞内ゲノムワイド関連解析は、直接遺伝効果を評価する際のバイアスを減少させる

Nature Genetics 54, 5 doi: 10.1038/s41588-022-01062-7

血縁関係のない個人間を対象にしたゲノムワイド関連解析(GWAS)は、遺伝的多様性(バリアント)の効果(直接遺伝効果)と共に、人口統計学的要因(集団層別化や同類交配)や血縁関係(間接遺伝効果)を捕捉する。家系情報に基づいたGWASは、人口統計学的要因や間接遺伝効果を補正可能であるが、必要とされる大規模な家系データセットが欠如している。我々は、19のコホートに含まれる17万8086の同胞のデータを統合し、集団(家系間)を対象にしたGWASと同胞内(家系内)を対象にしたGWASを行い、25種類の形質について評価した。身長、教育達成度、年齢、第一子出産年齢、子の数、認知能力、抑うつ症状、喫煙における同胞内GWAS評価値は、集団全体を用いたGWAS評価値と比較して小さかった。SNP遺伝率や遺伝的相関、メンデルランダム化解析といった下流の解析では違いが見られ、例えば、教育達成度とボディーマス指数(BMI)間の同胞内遺伝的相関はゼロに減衰した。対照的に、ほとんどの分子表現型(例えば、低比重リポタンパク質コレステロール)に対する解析ではおおむね一致した。また、高身長に対する多遺伝子適応の証拠を同胞内で発見した。本研究は、人口統計学的要因および間接遺伝効果の影響を受ける表現型において、家系情報に基づいたGWASデータが重要であることを示した。

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