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多遺伝子リスクスコア:さまざまな祖先系集団における多遺伝子による予測の改善

Nature Genetics 54, 5 doi: 10.1038/s41588-022-01054-7

多遺伝子リスクスコア(PRS)は、集団が異なると予測性能が低下する。既存のゲノムワイド関連解析(GWAS)は主にヨーロッパ系の人において実施されているため、PRSの他の集団での利用可能性が限られていることは、非ヨーロッパ系集団でのPRSの臨床的価値を低下させ、医療格差を増大させる可能性がある。ゲノム研究における祖先系による不均衡を解消しようという最近の取り組みにより、非ヨーロッパ系でのGWASの規模は拡大している。とはいえ、ほとんどのものはまだ検出力が十分ではない。本論文では、複数の集団のGWAS要約統計量を統合することで、集団横断的に行う多遺伝子予測を改善する新しいPRS構築方法、PRS-CSxを紹介する。PRS-CSxは、共有されるcontinuous shrinkage(CS;連続縮小型)事前分布を介して遺伝的効果を集団横断的に結合していく。これによって、PRS-CSの計算効率とロバスト性を継承しながら、要約統計量間の情報の共有、および発見試料にわたる連鎖不平衡の多様性を利用することで、より正確な効果量の推定が可能になる。遺伝的構造、集団間の遺伝的重なり、発見GWASのサンプルサイズがさまざまな形質についてシミュレーションにより検証した結果、PRS-CSxは他の方法よりも優れており、非ヨーロッパ系集団における量的形質と統合失調症リスクの予測を改善することが分かった。

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