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乳がん:乳がんの微小環境の構造はゲノムの特徴と臨床転帰に関連する

Nature Genetics 54, 5 doi: 10.1038/s41588-022-01041-y

腫瘍微小環境(TME)の機能は、特殊化した細胞が正確な空間的構成をとることによって成り立っているが、TME内に形成される多細胞構造についてはほとんど分かっていない。本論文では、ゲノムデータと臨床データが利用可能な693人の乳がんについて、イメージングマスサイトメトリーと多層的な空間分析を用いて、in situでのTME構造を体系的にマッピングした。その結果、よく見られる10のTME構造が明らかになり、これらは血管の含有量、間質の静止状態と活性化状態、白血球組成が異なっていた。これらのTME構造は、乳がんのサブタイプ間で濃縮パターンが異なっており、免疫回避を示すゲノムプロファイルを伴うものもあった。大規模な「抑制された増殖」構造では、制御性T細胞と機能不全のT細胞が同時に生じていた。「抑制された増殖」構造の特徴は、細胞の多様性が高く、増殖している細胞が見られ、BRCA1CASP8の変異が豊富であることで、エストロゲン受容体陽性乳がんにおける転帰不良を予測した。今回明らかにされた多細胞構造は、保存された空間的構成を局所的なTME機能に結び付け、患者の層別化を改善する可能性がある。

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