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COVID-19:COVID-19の表現型の定義を拡張することで、遺伝的関連と防御効果に関する独特なパターンが明らかになった

Nature Genetics 54, 4 doi: 10.1038/s41588-022-01042-x

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の複数のゲノムワイド関連解析(GWAS)から、再現性のある遺伝的関連が見つかっており、この結果は感受性と重症度リスクに対する遺伝的要因の存在を示している。我々はこれらの研究を補完するために、AncestryDNA研究の参加者73万6723人から、COVID-19の非常に詳細な表現型データを収集した。これらのデータを用いて、COVID-19の転帰と関連する8つの表現型を定義した。4つの表現型は、以前に研究されたCOVID-19の定義に沿ったものであり、残りの4つは「拡張された」表現型で、これらは曝露に対する感受性、軽度の臨床症状、症状の重症度の総スコアに焦点を当てたものである。AncestryDNA研究参加者の祖先系横断的メタ解析において、8つの表現型全てについて、以前に報告された12のCOVID-19の遺伝的関連に関する再現解析を行った。この解析では、この12座位の関連は、評価した8つの転帰について異なるパターンを示した。我々はまた、8つの表現型全てのゲノムワイドの発見解析も行った。この解析では新たなゲノム規模で有意な座位は得られなかったが、4つの「拡張された」COVID-19表現型のうち3つで、以前に研究された表現型と比較して、防御的な遺伝的関連を捉える能力が高まることが示唆された。従って我々は、大規模に収集されたCOVID-19の詳細な表現型データを継続的に確認することは、COVID-19治療標的の特定に対して有効である可能性が高いと結論する。

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