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COVID-19:ゲノムワイドな解析から、ACE2はCOVID-19のリスクに影響を及ぼし、重症COVID-19に関連するリスクスコアを示せるという遺伝的証拠が得られた

Nature Genetics 54, 4 doi: 10.1038/s41588-021-01006-7

重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)は、アンジオテンシン変換酵素2(ACE2)を介してヒト宿主細胞に侵入し、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を引き起こす。本論文では、ゲノムワイド関連解析により、1つのバリアント(rs190509934、マイナー対立遺伝子頻度0.2~2%)が、ACE2の発現を37%低下させて(P = 2.7 × 10−8、SARS-CoV-2の感染リスクを40%減じさせる(オッズ比 = 0.60、P = 4.5 × 10−13)ことを明らかにする。これはヒトにおけるACE2の発現レベルがCOVID-19リスクに影響を及ぼすことを示す遺伝的証拠である。また、これまでに報告されたCOVID-19の6つのリスクバリアントとの関連も再現性が確認され、そのうちの4つ(LZTFL1、MHC、DPP9IFNAR2の内/近傍)は、さらにこのウイルスに感染した人の転帰不良と関連があった。ありふれたバリアントによって、症例において重症COVID-19と強く関連するCOVID-19のリスクスコアを定められることが分かり、これは、人口統計学的要因や臨床的要因のみを用いた重症度予測よりも予測をある程度改善させるものである。

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