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ヒストン修飾:新生転写データに基づくヒストン翻訳後修飾パターンの予測

Nature Genetics 54, 3 doi: 10.1038/s41588-022-01026-x

転写におけるヒストン修飾の役割は、完全には明らかになっていない。本研究では、摂動実験を高感度な機械学習ツールと組み合わせて用いて、ヒストン修飾と転写の関係を調べた。転写状態から、活性化ヒストンマークの変化や、バイバレントプロモーターなどの複雑なクロマチン状態を、単一ヌクレオソームの解像度、および独立したChIP-seq実験間での一致に匹敵する精度で予測することができた。転写を阻害すると、点状の修飾であるH3K4me3とH3K27acはクロマチンから速やかに除去された。これは、活性化ヒストン修飾に転写が必要なことを示唆している。転写はH3K27me3の維持にも必要であり、PRC2を誘導する際のRNAに果たす役割として矛盾しない。DNase I高感受性部位の一部は予測が困難であり、オープンクロマチンではどこでも転写が開始されるというモデルは排除することとした。本研究の結果は、過去の文献と併せて、活性化ヒストン修飾の転写制御における役割は必須というより補助的であるというモデルを支持する。

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