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発生:マウスの胚発生における細胞軌跡の系統的な再構築

Nature Genetics 54, 3 doi: 10.1038/s41588-022-01018-x

哺乳類の胚発生は、細胞の急速な増殖や多様化を特徴としている。1個の接合子から、数週間のうちに多彩な分子プログラムを発現する何百万もの細胞が生じる。集中的に研究されているにもかかわらず、哺乳類の発生における主要な細胞軌跡のin vivoでの包括的な報告はなされていない。本論文では、マウスの原腸形成と器官形成に及ぶ期間の、複数の単一細胞RNA塩基配列決定(scRNA-seq)データセットを統合し、約8.5日齢(E8.5)で採取した、体節が1つずつ増加した各段階の胚由来の約15万の核についての新しいプロファイリングを追加した。その結果、総合的にE3.5からE13.5に及ぶ連続する19段階それぞれで、細胞の状態を定義し、それらを発見的手法によって疑似祖先細胞と疑似子孫細胞に結び付けた。結果として得られる有向非巡回グラフ[TOME(trajectories of mammalian embryogenesis;哺乳類の胚発生の軌跡)]は、自動化された手順で構築されたが、哺乳類の発生に関する現代の我々の理解とほぼ一致している。TOMEを利用することで、各細胞タイプ指定の調節因子候補である転写因子(TF)や、脊椎動物の進化における「細胞タイプのホモログ」候補が系統的に見いだされた。

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