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遺伝子調節:ヒト遺伝子調節因子の塩基配列要因

Nature Genetics 54, 3 doi: 10.1038/s41588-021-01009-4

DNAのいつ、どこで遺伝子が発現しているかを測定することはできるが、遺伝子発現を制御する一連の塩基配列決定因子を全て測定することはいまだ不可能である。今回、我々は大量並列レポーターアッセイ(MPRA)を用いて、ヒトゲノムのおよそ100倍の塩基配列空間を表すDNA塩基配列の転写活性を測定した。機械学習モデルにより、転写因子(TF)は一般的に弱い文法で相加的に振る舞うこと、そして、ほとんどのエンハンサーは特定の転写因子同士の相互作用によらない機構によってプロモーターからの発現を増加させることが明らかになった。エンハンサー自体は、古典的なエンハンサー、閉じたクロマチン、クロマチン依存の3つのタイプに分類され得る。また、細胞内で高度に活性化された転写因子は極めて少なく、ほとんどの活性は細胞タイプ間で類似していることが分かった。個々の転写因子は、クロマチンの開口、および転写開始点(TSS)の活性の増強、促進、位置の決定といった複数の遺伝子調節活性を持つことができ、これは転写因子結合モチーフが遺伝子発現で重要な原子ユニットであるという見解と一致するものである。

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