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がん転移:NALCNチャネルは、転移と非悪性細胞の播種を制御する

Nature Genetics 54, 12 doi: 10.1038/s41588-022-01182-0

我々は、ナトリウムチャネルタンパク質であるNALCN(sodium leak channel, non-selective)が、がんの転移と非悪性細胞の播種を制御する重要な因子であることを明らかにした。ヒトのがん1万22症例の中で、NALCN機能喪失変異は胃がんと大腸がんに多く見られた。マウスの胃および腸、膵臓の腺がんにおいて、Nalcnの欠失は腫瘍の発生率を変化させなかったが、循環腫瘍細胞(CTC)数と転移を著しく増加させた。NALCNチャネルブロッカーであるガドリニウムを投与したところ、同様にCTCと転移が増加した。発がん性変異が見られずがん化しないマウスからNalcnを欠失させると、腫瘍を有する場合と同程度の上皮細胞が血液中に排出された。排出された細胞は遠隔臓器に移動し、肺の上皮および腎臓の糸球体、尿細管などの正常な構造を呈した。NALCNは、がんかそうでないかに関係なく、固形組織から細胞が脱落する過程を制御する。これはつまり、細胞の脱落過程はがん化から切り離されること、および抗転移治療の新規標的としての可能性を意味する。

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